法定後見人の選任方法とは?家族がなれるケースとなれないケース
認知症などにより判断能力が不十分になった場合、本人を保護・支援する制度として利用されるのが法定後見制度です。
今回は、法定後見人の選任方法を整理したうえで、家族が法定後見人になれるケースとなれないケースについて解説いたします。
法定後見人は家庭裁判所が選任する
法定後見制度では、後見人・保佐人・補助人のいずれについても、家庭裁判所が選任権限を持っています。
家庭裁判所は、本人の財産状況や生活環境、親族関係、候補者の適性などを総合的に判断したうえで、最も適切と考えられる人物を選任します。
そのため、申立書に家族の名前を記載したとしても、必ずしも希望どおりに選ばれるとは限りません。
家族が法定後見人に選ばれやすいケース
実務上、家族や親族が法定後見人として選任されるケースも多くあります。
特に、次のような状況であれば、家庭裁判所が家族を後見人として適任と判断しやすい傾向があります。
- 本人の生活状況や財産内容をよく把握している
- 日常的な支援を行ってきた実績がある
- 親族間で大きな対立がなく後見業務を円滑に行える
- 財産規模が比較的小さく複雑な判断を必要としない
ただし前述のように、必ずしも家族が法定後見人として選ばれるわけではありません。
家族が法定後見人になれないケース
家族が法定後見人になれないのは、以下のケースです。
- 家庭裁判所が不適切と判断した場合
- 家族が欠格事由に該当する場合
それぞれ確認していきましょう。
家庭裁判所が不適切と判断した場合
申立て後、家庭裁判所は後見人候補者について調査を行います。
その過程で、候補者と本人との関係性や、財産管理の適性に疑問があると判断された場合には、家族であっても後見人に選ばれないことがあります。
たとえば本人の財産をめぐって親族間で紛争が生じている場合や、候補者が他の相続人と強く対立している場合には、中立性の観点から専門職が後見人として選任されることが一般的です。
家族が欠格事由に該当する場合
民法第847条によれば、一定の事情に該当するひとは、そもそも後見人になることができません。
- 未成年者
- 法定代理人や保佐人、補助人の職務を解任されたことがあるひと
- 破産手続中で復権していないひと
- 本人と訴訟を起こしたことがあるひと、その配偶者や直系血族
- 所在が分からない状態にあるひと
これを欠格事由といい、家族であっても該当すれば後見人にはなれないため注意が必要です。
まとめ
法定後見制度では、家族を後見人候補として希望することはできますが、最終的な判断は家庭裁判所が行います。
家族が後見人になれるかどうかは、本人の状況や親族関係、候補者の適性など、さまざまな要素によって左右されます。
法定後見制度の利用を考えている場合は、申立て前に司法書士などの専門家へ相談し、見通しを立てたうえで手続きを進めることが大切です。
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